出典:https://ciatr.jp/topics/280145
規制が緩い国でもR-18。国によっては上映禁止となったいわくつきの映画「時計じかけのオレンジ」。
暴力的な内容で賛否別れる映画ではありますが、映画ファンから大絶賛されている作品なのは、紛れもない事実です。
今回はいわくつきの名作「時計じかけのオレンジ」の、あらすじとネタバレを紹介します。
■登場人物紹介
今『時計じかけのオレンジ』を観ていて
— Naoyuki (@Horror_7007) January 4, 2021
アレックス役の俳優がエヴァン・ピーターズに似ているなあ🙄と思ってググっていたら、
ロブゾンビ版ハロウィンのルーミス医師を演じていたマルコム・マクダウェルだと今更知って驚いてます!( ゚Д゚)
時計じかけの人だったんだなぁ・・ pic.twitter.com/0E07dwRmoQ
・アレックス・デラージ
不良仲間とつるむ15歳の少年。
生まれは中流家庭で、貧しい生活は送っていません。いわば「どこにでもいる普通の少年」です。
・酔っ払い
アレックスと仲間達からボコボコにされる街の酔っ払い。
2年後、アレックスとまさかの形で再会することになりました。
・ミスターフランク
目と鼻の先で、愛する妻を暴行された作家。
2年後、アレックスの正体を知らず、彼を保護します。
目的は親切心ではなく、反政府運動の道具にするためでした。
■「時計じかけのオレンジ」のあらすじネタバレ!衝撃的な結末
『時計じかけのオレンジ』鑑賞。
— John🕺Koya (@john59pen) January 26, 2021
初キューブリック作品これで良いのだろうかと迷ったけどようやくの鑑賞でした💦
今の今まで情報を入れなくて良かったな。
正直もっとヤバい映画だと思ってたけど、普通に物語は面白かった。狂ってるのは間違いないけど😓笑
これ言語化難しいなぁ…感想続きます😅 pic.twitter.com/XXwCdbSpF1
時は近未来のイギリス。
刺激的なオブジェで彩られているミルクバーで、アレックスと不良仲間達は本日の計画を練っていました。
アレックスは「雨に唄えば」を陽気に歌いながら、女性に乱暴を働くほど、最悪な人物。そんな彼に待ち受けていたのは、まさかの結末でした。
起:自由という名の暴力
アレックスは、ドルーク(不良仲間)のピート・ジョージ・ディムと共に自由を謳歌していました。
道端で転がっている酔っ払いに、ゲーム感覚で暴力を加えるのは日常茶飯事。
さらに、作家であるミスターフランクの家に押しかけ乱暴を働きます。
ミスターフランクを縛り上げ、彼の目の前で暴行。アレックスにとって、暴行も遊びの1つです。
しかし遊びは、長続きしません。
壮年女性の家に押し掛けた際、仲間の裏切りで警察に捕まってしまいました。
承:ルドヴィコ療法
アレックスは少しでも早く刑務所から出るため、ルドヴィコ療法を受けることになりました。
ルドヴィコ療法を受けると、暴力性はなくなり犯罪ができない人間になります。
しかし裏をかえせば、人格否定になりかねない危険なものです。
アレックスは拘束され、瞬き禁止状態のまま暴力的な映像をひたすら見せ続けられました。
すると暴力に対して激しい嫌悪感を覚え、抵抗できない人間となってしまったのです。
外見はフレッシュなオレンジでも、中身は時計じかけ。
自由奔放に生きていたアレックスは、時計じかけのオレンジ状態になりました。
転:自由の先にあるもの
ルドヴィコ療法を受けて「善人」になったアレックス。
アレックスは出所し家に戻るも、すでに居場所はありません。
家を追い出されたアレックスは、道端で1人の男に声をかけられます。
男は、かつてアレックスがボコボコにした酔っ払いでした。
酔っ払い達に木っ端みじんにやられたアレックスは、警察に助けられます。
警察の正体は、かつてアレックスがつるんでいた仲間達でした。
かつての仲間達にもボコボコにされ、アレックスに居場所はありません。
ボロボロになったアレックスは、ある家へとたどり着きました。
ミスターフランクの住む家に。
結:時計仕掛けのオレンジ
アレックスの正体が、かつて自分達を苦しめた若者と知ったミスターフランク。
アレックはミスターフランクに精神的に追い詰められ、自殺してしまいました。
自殺は未遂に終わり病院へ運ばれます。
自殺未遂によりボロボロになったためか、アレックスは元の悪ガキに戻りました。
ルドヴィコ療法を受けた患者が自殺未遂したニュースは、世間の話題に。
治療を進めた政府は、謝罪の意味を込めてアレックスに衣食住の約束をします。
「衣食住の保証」のかわりに、アレックスには世論操作の仕事が言い渡されました。
かつての悪童っぷりが戻っても、時計じかけの中身は変わっていません。
■「時計じかけのオレンジ」の見どころご紹介
一見すると暴力的な映画ですが、裏には社会的な批判が隠されていました。
「時計じかけのオレンジ」の見どころを紹介します。
本当に暴力的な者は誰か?
主人公アレックスが映画でしでかした行いは、絶対に許されるべきではありません。
しかしアレックスだけを攻めれば、何もかも全て本当に解決するでしょうか?
人間から個性を奪い取り、右へならえの行動をすれば、確かに世の中は平和になるかもしれません。
犯罪だって劇的に減るでしょう。
しかし、世の中のためになるからと個性を奪い取るのは、暴力よりも酷い行為です。
アレックスのような人間は、映画の中だけの話ではありません。
当然ながら、遠い国の話でもないのです。
アレックスの本当の年齢は?
時計じかけは話は暴力的かもだけど、
— ash アッシュ (@kumaremontea) January 5, 2021
この時代のマルコム・マクダウェルがすごく好き。
表情も顔もタイプ。 pic.twitter.com/kt7b8vLVD4
アレックスの年齢は15歳。
アレックス役を務めた俳優のマルコム・マクダウェルの当時の年齢は、27歳でした。
2021年1月時点で73歳になりましたが、現在も現役バリバリで俳優活動を続けています。
1943年イギリス生まれ。
「If もしも….」の出演がきっかけとなり、「時計じかけのオレンジ」に大抜擢。
「時計じかけのオレンジ」出演以降も、映画・ドラマに大活躍!
さらにアニメの声優にも、取り組んだこともありました。
最新出演作は「トゥルース・シーカーズ」です。
Amazon Prime ビデオで絶賛配信中。偏屈だけど憎めないお爺ちゃん役を務めています。
失明しかけた!?ルドヴィコ療法の裏側
「時計じかけのオレンジ」で最大の見せ場といえば、体を拘束され器具で目玉を開く「ルドヴィコ療法」でしょう。
実際は目に麻酔をかけていたとはいえ、かかった負担はかなりのもの。
器具が外れて角膜が傷つくこともしばしば。
なお治療を受けていたアレックスの隣にいた医師は、俳優ではなく、本物の医者です。
マルコム・マクダウェル本人は「映画のためなら」とインタビューで答えていましたが、かなりの苦痛を被ったのは間違いないでしょう。
撮影終了後に激しい痛みに襲われ、病院に駆けつけたという話が残っています。
■まとめ
「時計じかけのオレンジ」
— 欲の塊のおーぱ (@opa13714) April 12, 2019
肥大した個人がもたらす超暴力と行き過ぎた統制が是とされる恐るべき全体主義社会の風刺劇に巨匠はなんたる毒々しい魅力を付与したものか。人間の獣性を刺激するような問題作だが、同時に物事を正しく考えられる年齢ならば見るべき名作だ。 #1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/0vDn5vPl0f
暴力的な性格のアレックスは、ルドヴィコ療法により暴力性がなくなりました。
犯罪者が1人減ったことになりますが、果たして良い行いといえるかどうかは、何とも言えないものです。
唯一の事実としては「時計じかけのオレンジ」は、公開から50年近く経った今も大絶賛されていることでしょう。
映画の中に含まれた痛烈な社会風刺は、現代でも通じます。