出典:https://ciatr.jp/topics/280145

規制が緩い国でもR-18。国によっては上映禁止となったいわくつきの映画「時計じかけのオレンジ」。


暴力的な内容で賛否別れる映画ではありますが、映画ファンから大絶賛されている作品なのは、紛れもない事実です。


今回はいわくつきの名作「時計じかけのオレンジ」の、あらすじとネタバレを紹介します。

■登場人物紹介

・アレックス・デラージ

不良仲間とつるむ15歳の少年。


生まれは中流家庭で、貧しい生活は送っていません。いわば「どこにでもいる普通の少年」です。

・酔っ払い

アレックスと仲間達からボコボコにされる街の酔っ払い。


2年後、アレックスとまさかの形で再会することになりました。

・ミスターフランク

目と鼻の先で、愛する妻を暴行された作家。


2年後、アレックスの正体を知らず、彼を保護します。


目的は親切心ではなく、反政府運動の道具にするためでした。

■「時計じかけのオレンジ」のあらすじネタバレ!衝撃的な結末

時は近未来のイギリス。


刺激的なオブジェで彩られているミルクバーで、アレックスと不良仲間達は本日の計画を練っていました。


アレックスは「雨に唄えば」を陽気に歌いながら、女性に乱暴を働くほど、最悪な人物。そんな彼に待ち受けていたのは、まさかの結末でした。

起:自由という名の暴力

アレックスは、ドルーク(不良仲間)のピート・ジョージ・ディムと共に自由を謳歌していました。


道端で転がっている酔っ払いに、ゲーム感覚で暴力を加えるのは日常茶飯事。


さらに、作家であるミスターフランクの家に押しかけ乱暴を働きます。


ミスターフランクを縛り上げ、彼の目の前で暴行。アレックスにとって、暴行も遊びの1つです。


しかし遊びは、長続きしません。


壮年女性の家に押し掛けた際、仲間の裏切りで警察に捕まってしまいました。

承:ルドヴィコ療法

アレックスは少しでも早く刑務所から出るため、ルドヴィコ療法を受けることになりました。


ルドヴィコ療法を受けると、暴力性はなくなり犯罪ができない人間になります。


しかし裏をかえせば、人格否定になりかねない危険なものです。


アレックスは拘束され、瞬き禁止状態のまま暴力的な映像をひたすら見せ続けられました。


すると暴力に対して激しい嫌悪感を覚え、抵抗できない人間となってしまったのです。


外見はフレッシュなオレンジでも、中身は時計じかけ。


自由奔放に生きていたアレックスは、時計じかけのオレンジ状態になりました。

転:自由の先にあるもの

ルドヴィコ療法を受けて「善人」になったアレックス。


アレックスは出所し家に戻るも、すでに居場所はありません。


家を追い出されたアレックスは、道端で1人の男に声をかけられます。


男は、かつてアレックスがボコボコにした酔っ払いでした。


酔っ払い達に木っ端みじんにやられたアレックスは、警察に助けられます。


警察の正体は、かつてアレックスがつるんでいた仲間達でした。


かつての仲間達にもボコボコにされ、アレックスに居場所はありません。


ボロボロになったアレックスは、ある家へとたどり着きました。


ミスターフランクの住む家に。

結:時計仕掛けのオレンジ

アレックスの正体が、かつて自分達を苦しめた若者と知ったミスターフランク。


アレックはミスターフランクに精神的に追い詰められ、自殺してしまいました。


自殺は未遂に終わり病院へ運ばれます。


自殺未遂によりボロボロになったためか、アレックスは元の悪ガキに戻りました。


ルドヴィコ療法を受けた患者が自殺未遂したニュースは、世間の話題に。


治療を進めた政府は、謝罪の意味を込めてアレックスに衣食住の約束をします。


「衣食住の保証」のかわりに、アレックスには世論操作の仕事が言い渡されました。


かつての悪童っぷりが戻っても、時計じかけの中身は変わっていません。

■「時計じかけのオレンジ」の見どころご紹介

一見すると暴力的な映画ですが、裏には社会的な批判が隠されていました。


「時計じかけのオレンジ」の見どころを紹介します。


本当に暴力的な者は誰か?


主人公アレックスが映画でしでかした行いは、絶対に許されるべきではありません。


しかしアレックスだけを攻めれば、何もかも全て本当に解決するでしょうか?


人間から個性を奪い取り、右へならえの行動をすれば、確かに世の中は平和になるかもしれません。


犯罪だって劇的に減るでしょう。


しかし、世の中のためになるからと個性を奪い取るのは、暴力よりも酷い行為です。


アレックスのような人間は、映画の中だけの話ではありません。


当然ながら、遠い国の話でもないのです。

アレックスの本当の年齢は?


アレックスの年齢は15歳。


アレックス役を務めた俳優のマルコム・マクダウェルの当時の年齢は、27歳でした。


2021年1月時点で73歳になりましたが、現在も現役バリバリで俳優活動を続けています。


1943年イギリス生まれ。


「If もしも….」の出演がきっかけとなり、「時計じかけのオレンジ」に大抜擢。


「時計じかけのオレンジ」出演以降も、映画・ドラマに大活躍!


さらにアニメの声優にも、取り組んだこともありました。


最新出演作は「トゥルース・シーカーズ」です。


Amazon Prime ビデオで絶賛配信中。偏屈だけど憎めないお爺ちゃん役を務めています。

失明しかけた!?ルドヴィコ療法の裏側

「時計じかけのオレンジ」で最大の見せ場といえば、体を拘束され器具で目玉を開く「ルドヴィコ療法」でしょう。


実際は目に麻酔をかけていたとはいえ、かかった負担はかなりのもの。


器具が外れて角膜が傷つくこともしばしば。


なお治療を受けていたアレックスの隣にいた医師は、俳優ではなく、本物の医者です。


マルコム・マクダウェル本人は「映画のためなら」とインタビューで答えていましたが、かなりの苦痛を被ったのは間違いないでしょう。


撮影終了後に激しい痛みに襲われ、病院に駆けつけたという話が残っています。

■まとめ

暴力的な性格のアレックスは、ルドヴィコ療法により暴力性がなくなりました。


犯罪者が1人減ったことになりますが、果たして良い行いといえるかどうかは、何とも言えないものです。


唯一の事実としては「時計じかけのオレンジ」は、公開から50年近く経った今も大絶賛されていることでしょう。


映画の中に含まれた痛烈な社会風刺は、現代でも通じます。

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