出典:https://www.imdb.com/title/tt0109506/mediaviewer/rm866189824

「クロウ/飛翔伝説」は90年代に公開された映画です。


映画撮影中の事故により、主演のブランドン・リーは逝去。


一時は公開が危ぶまれたものの、当時としては最新鋭の技術が用いられ、なんとか公開に踏み切ることができました。


今回は「クロウ/飛翔伝説」のあらすじと、見どころについてご紹介します。

■登場人物

エリック・ドレイヴン

ミュージシャン。


シェリーの婚約者。


ハロウィンで挙式を挙げる予定でした。


しかし無残にも殺されてしまい、結婚は幻に終わります。


事件から1年後に黄泉の国から舞い戻り、自身とサラを殺害したギャングに復讐します。

シェリー

エリックの婚約者。


ハロウィンの前日にギャングに襲われてしまいました。


病院へ運ばれ懸命の治療を受けるも、30時間戦った後に絶命。

サラ

エリックとシェリーの友人の少女。


年齢以上に大人な性格。


エリックとシェリーが旅立ってからは、常に1人で行動していました。


アルブレット巡査とは事件がきっかけで、顔見知りとなります。

アルブレット巡査部長

エリックとサラの殺害事件を担当した警察官。


サラの最期を見届けた人物でもあります。

■「クロウ/飛翔伝説」のあらすじ!結末までネタバレします!

「クロウ/飛翔伝説」は終始暗いです。


常に雨が降り続けています。


暗い映画ではありますが、どこか希望のある映画でもありました。

起:悪魔の日

人は死ぬと、魂はカラスによって黄泉の国に運ばれます。


しかし死に方があまりにも残酷な場合、カラスは魂を連れ戻すのでした。


ハロウィン前日の10月30日「悪魔の日」に、結婚直前のカップルが何者かによって襲撃されました。


被害者女性のシェリーは辛うじて息があるも、被害男性のエリックは即死。


シェリーは病院へ運ばれ治療が施されるも、事件から30時間後に息を引き取りました。


カップルと親しくしていた少女サラは、事件について警官のアルブレヒト巡査部長から聞きます。


サラは、2人の最期を受け入れました。

承:黒き死神

カップル惨殺事件から1年後の10月30日。


街には黒き死神の噂が広がります。全身黒ずくめで、ピエロのメイクが特徴。


驚異的な身体能力を持ち、銃弾を撃ち込んでも倒れることがない不死身の体をしているとのこと。


死神は、次々と街に暗躍するギャングを惨殺。


事件現場には、血で描かれたカラスの模様が描かれています。


死神の正体は、1年前に惨殺されたはずのエリック。エリックはカラスの力で蘇り、自身と恋人のシェリーを惨殺した犯人に復讐をしていたのでした。

転:囚われ

ギャングのトップであるトップダラーはエリックを追い詰めるため、サラを誘拐しました。


サラ誘拐の報せは、カラスを介してエリックへと伝えられます。


エリックの弱点は、カラスそのもの。


カラスの命を奪い取れば、エリックはただの人間。


ただの人間になったエリックに銃を打ち込めば、ギャングの完全勝利となります。


アルブレヒト巡査部長の協力も得て、エリックはトップダラーに近づきます。


トップダラーは手にしていた刀で、エリックの腹を一突き。


絶体絶命の大ピンチに陥ってしまったエリックは、トップダラーに絶望を叩き込みました。


絶望は愛する人が苦しみながら人生を終えること。


愛する人が苦しむ様子を見せられたトップダラーの最期は、無残なものでした。

結:いつかは晴れる日もある

サラを見事救い出したエリック。


アルブレヒト巡査部長は重症を負うも、何とか生き延びています。


2人の無事を確認したエリックは、ただ1人墓地へと向かいました。


エリックに残された時間は、残りわずか…。


彼がシェリーの墓石に寄り添っていると、1人の女性がどことなく現れました。


シェリーです。


シェリーはエリックに優しく触れ、キスを交わしたのでした。


雨が止み太陽の光が街を照らした時、サラは墓地へと向かいました。


既にエリックの姿はありません。


エリックの代わりにいたのは、1匹のカラスです。


カラスはサラに、黄金の指輪を渡しました。

■映画の見所

「クロウ/飛翔映画」はただのアクション映画ではありません。


そして、ただのヒーロー映画でもありません。


映画公開から25年以上経っていますが、25年経っても新鮮味に映るでしょう。

・ブルース・リーの息子!ブランドン・リーの遺作

エリック・ドラヴェン役を務めたブランドン・リーは、ブルース・リーの息子です。


20歳の頃に俳優デビュー。


以降はアクション俳優として、着実にキャリアを積んでいきました。


そして28歳の頃に、「クロウ/飛翔伝説」に出演。


銃撃を受けるシーンで、本来はあるはずがない実弾が紛れ込んでいたために死亡。


結果的に「クロウ/飛翔伝説」が遺作となりました。


ちなみになぜ実弾が撮影現場にまぎれていたかは、未だに明らかになっていません。


事故として片付けられましたが、真相は闇の中。


なお実弾を撃ってしまった俳優は、かなりショックを受けました。


事故のトラウマにより、1年は仕事ができなかったそうです。

・コミックの世界を映画で忠実化!白と黒の世界

映画本編は非常に暗く、色彩が抑えられています。


色彩が抑えられているのは、原作を意識してのことでした。


「クロウ/飛翔伝説」はアメコミ原作の映画です。


原作コミックが白黒(カラーもありますが、色味はほとんどありません)であるため、原作に従って色味が抑えられました。


なお過去の幸せだったシーンは、柔らかい色調で描かれています。

・遺された者と逝く者の思い

エリックのように、ある日突然命を奪われた者は何も伝えることなく、旅立つことになります。


「さよなら」の一言もなく。


旅立つ前に「さよなら」と一言でもあれば、遺された人の気持は少しだけ楽になるかもしれません。


しかしある日突然無情に命を奪われた者は、「さよなら」の一言もなく旅立ちます。


「さよなら」を伝えられないため、“遺された者”の気持ちを考えると何も言えません。


そして「さよなら」が言えなかった“逝く者”の気持ちを考えると、涙が止まらなくなります。

■まとめ

ブランドン・リーは生前のインタビューにおいて、小説の一節を借りながら答えていました。


生は無限にあるようで実は有限のものであると。


人はいつか必ず、旅立たなければならない日がやってきます。


旅立ちの日は50年後かもしれませんし、もしかすると明日訪れるかもしれません。


映画「クロウ/飛翔伝説」は、限りある人生について考えさせられる映画でした。

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